「ほっ」と。キャンペーン

カテゴリ:東京・千代田区( 8 )

小伝馬町「COFFEE & SNACK ペルル」(2012年6月29日閉店)

わたしの好きな色はオレンジ色
健康的だったり、可愛らしかったり、温かかったり、とにかくいいイメージがたくさんあるから
それともう一つ、オレンジ色はわたしにはレトロな色にも感じられることが多い
看板やひさしやライトなど、古い洋食屋や喫茶店で効果的に使われたオレンジ色をよく見かけるせいだろうか

e0219736_12332523.jpg

ペルルはまさに、わたしにとってはオレンジ色の喫茶店だった
初めて見かけた時の高揚感は今も忘れられない
階段を駆け上がり、そのオレンジ色の空間に飛び込んだ

e0219736_12332221.jpg

オレンジのペンダントライト、レースのカーテン、造花を絡めたパーテーションなど、まさに喫茶店の様式美
とりわけ窓際の席が素敵だと思ったのだけれど、一人で占領してしまうのは憚られたので壁際の小さい席を選んで腰掛けた
真夏へ向かって準備を始めたかのような6月の日差しが体に堪えたが、よく効いた冷房のおかげでペルルは快適な空間だった

e0219736_12332384.jpg

ソーダフロートを飲んでさらに涼やかな気分
アイスクリームのシャリシャリした口当たりが懐かしい感じがした

素敵なお店だな、好きだな、と思いつつも、ペルルはわたしにとっては少し行きづらい場所にあって再訪は先延ばしになっていた
それでも、次に訪れる時が閉店の時になるとは考えもしなかった

-----------------------------------------------------------------------

思い立って再びペルルへ足を運んだのが、前回からちょうど一年が経った頃だった
すると入口の扉には「立ち退きの為、今月いっぱいで閉店いたします」と書かれた張り紙がされていた
ええっ!?と驚いて店内を見渡してみると、昼下がりののんびりを満喫する大勢の人
張り紙の衝撃と、お客たちの自然で当たり前な風景との差がわたしにとってはあまりに激しく、オロオロしたまま席に着いた

ハムサンドもコーヒーも美味しいのだが、いまいち気分が晴れない
そうこうするうちに一人、また一人お客が帰って行き、わたしだけになった

最後はマスターとゆっくりお話できた
「ビルごと買い取れたらなあ」と、屈託なく笑うマスター
マスターの都合ではなく、ビル側の都合の閉店なのでやりきれない気持ちもあるだろう
それでもマスターはわりと明るくあっけらかんと話すのでわたしのオロオロした気持ちも徐々に無くなっていったのだが、会話の中で何度か聞かれた「本当はもっと続けたいけどね…」という言葉はやはり切なかった
当然だけど、さみしいのはわたしやお客だけでなくマスターだってそうなのだ

わたしの大好きなオレンジ色の喫茶店、ペルル
お疲れさまでした
ありがとうございました

e0219736_15342496.jpg

e0219736_15383850.jpg

e0219736_15343610.jpg

e0219736_15345570.jpg

e0219736_1534817.jpg

e0219736_15342139.jpg

e0219736_1535866.jpg

[PR]
by chanomibanashi | 2012-06-30 08:00 | 東京・千代田区

有楽町「はまの屋パーラー」

有楽町や新橋のあたりへの苦手意識は何度出掛けてもなかなか消えないわたしだけど、それでも大好きな喫茶店はたくさんある
忙しいサラリーマンの流れに逆行するように歩きながら、わたしは憩いの空間を目指すのだ

ビルの地下にあるはまの屋パーラー
若く、愛想のいい店員さんたちが明るく出迎えてくれる
古い雰囲気のある喫茶店にはなかなか珍しい光景だった

フルーツサンドゥイッチをお願いすると、同じ値段のものなら半分ずつ注文できると教えてくれた
せっかくなので、フルーツのほかにハムもお願いすることにした
セットの飲み物にははまの屋ブレンドを

e0219736_1752348.jpg

一人では多いかな、と思ったのも一瞬
あっという間にぺろりといただいた
細めに切られているせいか、ぱくぱくと口に運びやすい
濃い目のはまの屋ブレンドには小さなクラッカーが添えられていた

e0219736_17564298.jpg

e0219736_17564449.jpg

e0219736_17564676.jpg

e0219736_17564864.jpg

つるつるに光るソファはキャラメル色で、お店の雰囲気によく合っている
ふと見ると、ぽてっと丸い占い機が置いてある
訊くと店長さんのお気に入りらしい

e0219736_1835417.jpg

古くからの喫茶店を、新しい若い人たちが受け継いでいく
おしゃれなカフェもいいけれど、はまの屋パーラーのように「喫茶店」が続いて行くのはもっといいなあと思う
[PR]
by chanomibanashi | 2012-04-22 17:24 | 東京・千代田区

神田「珈琲専門店 エース」

e0219736_1333654.jpg

40年の歴史を持つ神田のエース
なのに全く古さを感じさせない、清潔で明るい店内が印象的だった

e0219736_13135784.jpg

e0219736_1314217.jpg

光を受けて輝くテーブルや椅子、一点の曇りも無いライトなどをさまざまな角度から眺めていたところにマスターが声をかけて下さった
「ライトなんかはね、全部外してちょくちょく洗っているんですよ。あとあれもね」と言いながら、入口のドアのところにある換気扇を指さした
「飲食店の換気扇って、真っ黒でべたべたなところもあるじゃない?ああいうは嫌だなあと思ってねえ」
確かにエースの換気扇はとっても綺麗で、回転音もクリアだった
とにかくお掃除は念入りにやる、というのがエースで大事にしていることなのだとマスターは胸を張った
もちろん当たり前のことなのだろうけど、ここまで丁寧で完璧なさまは見ていて本当に清々しい

e0219736_1314048.jpg

e0219736_13141976.jpg

e0219736_13271433.jpg

e0219736_13272470.jpg

そしてエースと言えばこれらの看板やメニュー表も素晴らしい
板やペンキなど材料の調達からレタリング、写真の撮影、設置まですべてマスターが行っているとのこと
わたしは特に、メニューの写真を丁寧に切り取って水色の画用紙に合わせているのが気に入っていて、そのことを伝えると嬉しそうな笑顔を向けてくれた

e0219736_1336574.jpg

e0219736_1336332.jpg

エースはストレートコーヒーもバリエーションコーヒーも両方が豊富で選ぶのが楽しい
この日はカフェハワイアンとローストビーフサンドをお願いした
コーヒーはローストされたココナッツとスチームミルクの組み合わせがとてもよかった
噛みしめるほど美味しいローストビーフも

e0219736_13585230.jpg

e0219736_13585055.jpg

綺麗な店内で、整然と美しく書かれたメニューの中から、美味しいコーヒーや軽食を選んで味わう
カウンターの奥には真剣に仕事に取り組むマスターの姿

ここまでの喫茶店にはなかなか出会えないと思う

-----------------------------------------------------------------------

e0219736_1412664.jpg

こちらは一年前、名物ののりトーストとガテマラ
「のりトースト、すごく安いですね」と言うと「これがうちの宣伝みたいなものだからね」とマスターはにっこり
味の良さはもちろん、カウンターでのマスターの手際の良さも必見
[PR]
by chanomibanashi | 2012-04-12 00:00 | 東京・千代田区

淡路町「珈琲 ショパン」

e0219736_2262988.jpg

お店の名前から、勝手に硬派な名曲喫茶だとばかり思っていた
しかし入ってみて、それは考え過ぎだったということに(もちろんいい意味で)心からほっとした

先客はひとり
マスターと熱心にお話をしていた
いや、どちらかと言うと熱心なのはお客の方で、マスターは上手にお話を聞く方なんだなあという印象を受けた
そしてこの風景こそが、わたしが心からほっとした最大のポイントだった
ショパンが流れる厳かな空間であると同時に、お喋りをしても咎められることのない空間でもある
その絶妙なバランスが、わたしの性に合っている気もした


この日は秋になったというのに暑いくらいの日で、冷たいものが飲みたかった
アイスカフェオレをお願いした

e0219736_22251133.jpg

美しく二層に分かれたカフェオレ
まずは浅くストローをさしてミルクだけ、その次は底までさしてコーヒーだけを飲む
これはショパンの特徴でもあるが、コーヒーがとても濃くて味わい深い
それを確かめ終わって、ようやく均等なカフェオレ色を作って飲んだ

テーブルに置かれた灰皿も特徴的だった
わたしの座った席は猫の彫刻だったのだが、ほかの席にはレリーフのようになっているものや人の頭部をかたどったものもあった
後でマスターに聞くと、それらはすべて同じ彫刻家の方が作ったのだそう
灰皿だけでなく、壁の彫刻も同じだと教えてくれた


写真をお願いすると「構わないよ」と笑顔で応じてくれたマスター
しかしそんな話をしていると、どんどんお客さんがやってきた
どうしようかとまごまご迷っているわたしに「いいよいいよ、構わないよ」とマスターは撮影を勧めてくれたのだが、この日は遠慮し、再訪を約束してお店を後にした

--------------------------------------------------------------------------

e0219736_2255713.jpg

だいたい一か月経った晴れた日に、ショパンを再び訪れた
さすがに少し肌寒くなり、今度はアメリカンをお願いした
ショパンにしては軽めの味なのだろうが、一般的なアメリカンと比べると濃い目
読書をしながらゆっくり味わった

お客の途切れたのを見計らって、一か月前の写真の続きをマスターに切り出した
相変わらずの優しい笑顔で快諾してもらい、きれいなステンドグラスやあちこちにある彫刻を存分に撮らせていただいた

e0219736_2225520.jpg

e0219736_2225564.jpg

e0219736_2225171.jpg

e0219736_22251149.jpg

マスター、本当にありがとうございました
次回はあんプレス、ぜひいただきます
[PR]
by chanomibanashi | 2011-10-24 22:30 | 東京・千代田区

末広町「コーヒーラウンジ タニマ」

おおざっぱに「秋葉原」と言えば、電気街がある「千代田区外神田」近辺を指すことが多い
しかしこの秋葉原という地名は実は「台東区秋葉原」として存在しており、ひっそりとした町並みの小さな地域を指す
煌びやかな電気街とは対照的に、どちらかというとオフィス街といった表情
どのような経緯で電気街の方を「秋葉原」「アキバ」と呼ぶようになったのかまではよく分からないのだが、面白い街だなあといつも思う

そんな電気街にタニマがある
街の喧騒が嘘のような、そしてどこか秋葉原っぽくない、タニマという名の喫茶店がある

前に一度来たことがあって、赤と青のギンガムチェックのテーブルクロスが印象的だった
だから今回、そのことが頭にあったからレモンスカッシュを注文しようと決めていた
赤、青、黄の色の組み合わせを見てみたかったから

e0219736_20573120.jpg

e0219736_20572973.jpg

e0219736_20572330.jpg

e0219736_20572721.jpg

e0219736_20572538.jpg

e0219736_20572334.jpg

e0219736_20572068.jpg

思った通り
タイムスリップしたかのような懐かしい色彩だった

タニマのあの二階へ上がるときのワクワク感
それをこれから先も味わえたらいいな、と思う
[PR]
by chanomibanashi | 2011-07-21 22:00 | 東京・千代田区

神保町「純喫茶 ロザリオ」 (2011年6月30日閉店)

東日本大震災の数日後だった
晴れない気持ちを引きずりながら神田の街を歩いた
そんな時ロザリオのあの外観に吸い込まれたのは、現実から少しだけ逃避できそうな気がしたからかもしれない
時間が流れた今、そう思う

お客はわたしともう一人
おばあちゃんが注文を聞いてくれる
あたたかいカフェオレなのだが、透明の背の高いグラスに注がれ、しかもストローが付いてくる
ちょっと謎のスタイルだなあなんて思いながら飲もうとしたら、おばあちゃんに話しかけられた

3.11の地震の話から、昔の関東大震災の話へ
そこからもどんどんお話が飛んでいって、それはもうたくさんのことを教えてくれた

途中、アルバイトの女の子がおつかいから帰ってきた
わたしとおばあちゃんの様子を見て「おしゃべりですみません…」と謝る
お人形のように可愛らしい子だった

結局お客はわたし一人になり、おばあちゃんと女の子と3人で和やかに過ごした
おばあちゃんのお話は同じことの繰り返しなのだが、それがとても平和な感じがして、その日は久しぶりに穏やかな気持ちになった
ありがたいなと心から思った

e0219736_21333815.jpg

e0219736_21334093.jpg

e0219736_21335081.jpg

e0219736_21335373.jpg

e0219736_21335619.jpg

e0219736_21335857.jpg

e0219736_2134178.jpg

e0219736_2134627.jpg

e0219736_2134841.jpg



どのような事情で閉店なさったのか、わたしには分からない
すぐに取り壊されてしまうのだろうか
おばあちゃんはお元気だろうか
ロザリオの閉店を知った時、辛いのと心配なのとで心が乱れた


もうあの場所でコーヒーを飲んだりお話をしたりは出来ないけれど、近いうちにまたロザリオに行きたいと思う
[PR]
by chanomibanashi | 2011-07-06 00:00 | 東京・千代田区

神田「喫茶 ピープル」

ピープルのママには本当にたくさんの貴重なお話を聞いた

わたしの知らない、古き良き東京を知っている
江戸っ子口調できびきびした話し方
豪快だし、粋だし、かっこいい女性
ほんとうに好きだな、と思えるママだった

地デジに変えなきゃとかいうレベルをはるかに超えた白黒テレビがある
入口に座る二匹の猫の置物のうち、片方は一度落として割ってしまったそうだ
「一匹になっちゃったら意味が無いもの」と言いながら、ママは猫の首のあたりを指さした
よく見ると、きれいに直した痕があった
ソファも張り替えてずっと使っていると教えてくれた
そんなふうにお店のものひとつひとつがママの手で大事にされていることが、わたしはとても嬉しかった

雰囲気がいいお店、メニューが豊富なお店、インテリアがかわいいお店など、喫茶店にもいろんなところがあって好みの種類も様々あるけど、ピープルは抜群にママの人柄がいい
マスターだった旦那様が亡き今、優しい息子さん夫婦の助けを借りながら元気にお店をやっているママ
素敵ですばらしいことだなと感じた

そして、コーヒーが本当に美味しい
しっかり濃い味なのに、口の中にいつまでも残らないすっきりさがある

こだわりを捨てず、変えずに守っていく
理想の喫茶店だった

e0219736_1930832.jpg

e0219736_19301731.jpg

e0219736_19301976.jpg

e0219736_19303243.jpg

e0219736_19303472.jpg

e0219736_19303724.jpg

e0219736_19303963.jpg

[PR]
by chanomibanashi | 2011-06-16 22:26 | 東京・千代田区

神保町「高級洋菓子 柏水堂」

老舗洋菓子店の喫茶スペース
小さい空間ではあるが、レトロなかわいらしさがたくさん詰まっていた

e0219736_20312052.jpg
e0219736_20313860.jpg
e0219736_20315054.jpg
e0219736_20315692.jpg


大好きな青色と白の組み合わせ
ステンドグラスも綺麗
椅子の背もたれの曲線もかわいい
e0219736_2033276.jpg

柏水堂のアイドルは有名なプードル
だけどわたしはバタークリームが苦手なので、いちごのショートケーキをいただいた
確かに高級な感じがした
上品な味

e0219736_16222034.jpg

e0219736_2041768.jpg
e0219736_2041197.jpg

お店のお姉さんはみんなかわいくて優しかった

そして、この日食べられなかったプードル
お姉さんにお願いして、写真でプードルをお持ち帰りすることにした
e0219736_2043408.jpg

[PR]
by chanomibanashi | 2011-04-22 08:09 | 東京・千代田区