カテゴリ:東京・中央区( 9 )

築地市場「珈琲の店 愛養」

わたしにとって愛養は憧れであり、同時に近寄り難い喫茶店だった
と言うのも、わたしは基本的に「働く街」が苦手なのだ
わたしの仕事は平日が休みだったり、職場で仕事着に着替えるので通勤時は好きなファッションだったり、職場自体がいわゆるビジネス街ではなかったりするため、世のサラリーマンやOLさんたちの気持ちや振る舞いがほぼ分からない
そんなわたしだから働く街に一歩踏み入れた時、馴染めず浮いているのではなかろうかとソワソワしてしまうのだ
そういうわけで、特に新橋や丸の内周辺の喫茶店は未だに緊張してしまう

そして築地
新橋などとは違った種類ではあるけど、ここも働く街のひとつ
しかも愛養があるのは築地市場の場内
いくら場内に観光客や一般人が出入りしてもいいとは言っても、どこをどう歩いたらいいのか、本当に邪魔にならないのだろうか、などと余計なことばかり考えてしまっていた

まだまだ寒い2月のある日、ドキドキしながら初めて築地の場内に入った
案の定ターレットに轢かれそうになりながら(結局邪魔になってる…)、ようやく愛養に辿り着いた
中では築地で働く人々がコーヒーを飲みながら和やかに談笑している
あの中にわたしが入ったら一気に場違い感が漂うかしら?
少し躊躇しながらも、思い切って入ってみた

小さなテーブル席もあるものの、カウンターが中心の細長いお店
わたしは入り口に一番近い端の椅子に座った
注文はずっと前から心の中で決めていた、ミルクコーヒーとトーストを

「AIYO」と書かれたガラスのコップになみなみ注がれたミルクコーヒー
これがとっても可愛く、そしてとっても熱い
食べやすく包丁の入ったトーストはいい具合にこんがりとしている
ひとつつまんでポイと頬張ると、香ばしくカリカリとして美味しかった

カウンターのマスターやおばさまは皆優しく、柔らかい雰囲気の方々だったので心からほっとした
場内に初めて来たことを伝え、築地のことをあれこれマスターに聞いてみた
「働く街」としての築地に対するわたしなりのイメージを話したところで、「皆さんがお魚買ってくれたりとか、そうやって築地でお金を使ってくれればいいんだけどねえ」とマスター
その言葉を聞いて、ああ、そうかとわたしはようやく納得してすっきりした

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築地でお金を使えばいいんだよね…
それならば、これからも愛養に通うことでわたしも立派な築地のお客ということだね!

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こちらは別の日
コーヒーカップとグラスを並べてやっぱり可愛い
聞くと、昔はカップのロゴは「愛養」と漢字だったそう
今よりもっと大量に牛乳を沸かしてひっきりなしに何杯もミルクコーヒーを淹れた時代もあったと、懐かしい目をしながらマスターは言った

何度行っても、またすぐ行きたくなってしまう魅力的な愛養
憧れの喫茶店は想像通り素晴らしく、懐が広かった
愛養も、築地も、今ではどちらも大好きな場所になった
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by chanomibanashi | 2012-06-14 01:40 | 東京・中央区

八丁堀「コーヒー Bob」

道端にちょこんと立つ看板にやられてしまった
色といい、フォントといい、平仮名の「ぼぶ」といい、可愛すぎる
この可愛い第一印象は、中に入って飲み終えて店をあとにするまで一貫して変わらなかった

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日に焼けた窓のステッカーをはじめ、壁掛けやぬいぐるみなどディズニーのものが多かった
全体的にファンシーで、まるで80年代の女の子の部屋みたい
メニューも良心的なお値段
懐かしい、ふわふわした気分でカフェ・オレをお願いした

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運ばれたカフェ・オレもこれまたファンシーだった
たっぷりのクリームの上にカラースプレーがあしらわれた乙女な飲み物
愛おしくて、なんだか勿体なくて、いつもより時間をかけて味わった

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マスターはシャイなのかほとんど話さない方だった
わたしの問いかけにも一言二言だけ返してくれる感じなのだが、頑固で恐いのとは違う
うまく言えないけど、繊細で温かい人というイメージだった

そして、そんなマスターの雰囲気のおかげですっかり落ち着いた時間を過ごすことができた
はじめから終わりまで、きちんと昭和できちんと可愛い喫茶店だったことが嬉しかった
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by chanomibanashi | 2012-03-18 02:02 | 東京・中央区

築地「喫茶 ひよ子」

レトロなものが好きとか、昭和が好きとか言ってはいるものの、じゃあ具体的に何だろう?
そんなことを考える時があるけど、答えは結局いつもバラバラだ
ある時はファッションだったり、ある時は絵やフォントだったり、ある時は建物だったり

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築地のひよ子も、昭和の香りがする好みの喫茶店である
どんなレトロと出会えるのだろうと、お店の外も中もじっくり観察した
真っ赤なイスと白いレースのカーテンがかわいい雰囲気だし、何より「ひよ子」というお店の名前が非常に愛らしい
しかしひよ子の一番のレトロは、実はメニューにあった

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駅近くで、観光客もサラリーマンも多く行き交う街の中にあって、なんとコーヒーが150円
お店そのものだけでなく、価格まで昭和でレトロなのだ
かと言って「長居したら悪いだろうか…」などというそわそわした空気は全くなく、お客それぞれがゆったりと思い思いの時間を過ごしているのも印象的
うたた寝をしたり、黙々と読書をしたり、熱心に仕事の話をしたりしているのだった

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マスターと奥様のほのぼのとした優しさも、ひよ子が愛される理由だろう
お二人の自然な振る舞いと、心のこもった挨拶がわたしは大好きだ

築地と言えば市場のイメージだけど、あの活気ともまた違う昭和の庶民的な賑わいが癖になりそう
ひよ子はそんな喫茶店だと思った

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こちらはひよ子での別の日の注文
160円のハムトーストと、180円のソーダ水で満足のお昼だった
パン類のメニューはけっこうたくさんあって目移りしそうだったけど、このハムトーストは大正解
ハムのぶ厚さに、マスターの気持ちを感じて嬉しくなったのだった
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by chanomibanashi | 2012-02-20 14:05 | 東京・中央区

月島「喫茶 ライフ」

とても天気のいい日だった
確かこの日は三が日も終わって、街がいつもどおりに動き始めたあたりだった
空はこんなに明るく澄んでいるのに、風が冷たくて寒い
そんな東京らしい冬の空気を感じながら、爽やかな気持ちでライフを目指した

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これぞ、という佇まい
カーテンのそばの席が空いていますようにと願いながら、そっとドアを開けた

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マスターの元気で丁寧な朝の挨拶に迎えられた
ライフの方々は皆、同じように丁寧で心がこもっているから大好きだ

わたしの希望通り、窓際が空いていた
先客は近所のおじいさんやおばあさんが数人で、今朝行った病院の話や家族の話をしている
この日わたしは、濃くまろやかなコーヒーを飲んだ
ミルクを入れると更にまるい味になり、好みのコーヒーだった
テーブルに目をやると、きれいに磨かれた灰皿やシュガーポットがきらきら輝いている
こういうところにもお店の良さを感じた

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秋になって、また自然とライフに行きたくなった
晴れていると行きたくなるのだろうか
自分でも分からないが、ライフに行くのにぴったりの日だと思ったのだ

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大変混んでいて、一人用の小さい席にやっと座った
かわいいミックスジュースを飲みながら、思い思いのひとときを過ごす先客たちの中にだんだん馴染んでいくような心地がした

少し遠いけれど、心からほっとできるお気に入りの喫茶店
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by chanomibanashi | 2011-10-26 00:02 | 東京・中央区

東京「珈琲専門店 アロマ」

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東京駅からどこかへ出かける前に
東京駅に到着した誰かを迎えて一緒に
八重洲地下街にあるこのアロマは、東京駅に立ち寄るときにはよく訪れる喫茶店である

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階段を半分降りるようなつくり
出入り口は二つあり、店内はけっこう広い

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アロマのモーニングは、トーストがとにかく分厚くてサクサク
更に嬉しいのがマーガリン、いちごジャムと共にあんこが付いてくるところ
このあんこがトーストとよく合って本当に美味しい
玉子のゆで加減がちょうどいい具合なのも、コーヒーのおかわりをさりげなく勧めてくれるところも、どれも嬉しくていい気分である

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大満足のモーニング
ここから始まる東京の一日がより素晴らしくなるようなモーニング
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by chanomibanashi | 2011-05-01 20:00 | 東京・中央区

人形町「コーヒー&ハンバーガー レモン」

想像通りのかわいいお店だった

コの字カウンターの店内は、テーブル席中心のお店よりもなんとなく広く感じた
コーヒーは少し癖があって、わたしには苦めだった
だけどお店の優しい雰囲気と、レモン色のレースのカーテンと、上品な奥様がわたしの心を和ませてくれる

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コーヒーを飲みながら、人形町の歴史のお話を聞いた
人形町は昔はもう少し細かく分けられていて、それぞれ別の町名があった
それをひとつにまとめて人形町と呼ぶようになった、と教えてくれた
レモンのある地域は、昔は「芳町」という名前の町だったそう


コーヒーの他のメニューもどれもお手頃で、しかも静かで落ち着く空間
少し遠いけど、レモン色の昼下がりにまたお邪魔したいなと思っている
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by chanomibanashi | 2011-02-13 01:04 | 東京・中央区

築地「珈琲 雑煮 マコ」

築地の活気を見ていると、自然とこちらも元気になる
個人的にはアメ横も似たような効果をもたらしていると思う
そしてどちらの風景も、いかにも東京的という感じがして好きだ

マコはそんな築地の場外にあるレトロな喫茶店
こじんまりとしていて、とても落ち着く空間である

先客が3名
その全員が「とり雑煮」を食べていた
お出汁のいい香りが立ちこめて、わたしも是非食べたいと思ったのだがあいにくの満腹
珈琲だけいただいた

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強い酸味のある珈琲
添えられたのが生クリームなのがうれしい

マコの主である昌子さんはお化粧もお洋服もきれいで、上品でしっかりした感じの方だった
銀座が近いとやはりこういった雰囲気になるのかな、などと思った

次回は必ずお雑煮をいただこう
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by chanomibanashi | 2011-01-31 00:12 | 東京・中央区

人形町「カフェテラス ワコー」

「イタリアン」は「ナポリタン」のケチャップ抜きのこと
このことをワコーで初めて知った
食べたかったものがちょうど売り切れになっていたので、次に目についたイタリアンをマスターに告げてどんなものか訊いてみたのだ
ひとつ勉強になった
それと、ずっと食べてみたかったホットケーキをお願いした

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つるつるで綺麗なホットケーキ
美人、とでも言ったらいいのだろうか
本当に綺麗に焼きあがっている
ナイフを入れるとサクッとして、口に運ぶとふわふわ
とっても美味しい
粉チーズたっぷりでいただくイタリアンも美味しかった

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店内はたくさんの人で賑わっていた
忙しそうではあったのだけど、マスターや奥様のふるまいはどんな場面でも丁寧だった
味ももちろんそうだけど、そこで働く人の人柄がお客さんを呼ぶのだろう
気持ちのいい光景だった
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by chanomibanashi | 2011-01-28 00:05 | 東京・中央区

月島「コーヒー&サンドウィッチ ふるさと」

ここは、喫茶店探しの散歩を再び始めようという気持ちにさせてくれたお店


五反田のフランクリンアベニュー仕込みのハンバーガーが食べられる喫茶店としてテレビで紹介されているのをたまたま見かけ、出かけてみた
月島もんじゃストリートをわき道に入ったところにある

お店の外に置かれた椅子で煙草を吸う男性がいた
順番待ちだと思って後に続こうとすると、その煙草の男性に「いらっしゃい、どうぞ」と中へ促された
マスターであった

店内は昔から続く喫茶店そのもので、食器棚やブルーの丸椅子、壁のデザインなどどれも素敵
奥さんが注文をきいたり飲み物の支度をしたりする
厨房では息子さんがハンバーガーを作っている
その間、マスターはお店の中をなんとなくウロウロしたり、外に出てみたり、わたしたちの話し相手になってくれたりする
そんな家族のバランスを眺め、いいなあと思う

ジューシーなハンバーガーとくるくるのポテト
瓶入りのカナダドライ
それをレトロな空間で味わう不思議

会計の時、ふと真っ赤なマッチ箱を見つけた
先代の頃に作ったものだとマスターが教えてくれた
貴重なものだろうとは思ったのだけど、「頂けたらうれしいのですが」とつい言ってしまった
するとマスターは「だいぶ古いけどね」と言って快くひとつ分けてくれた
わたしはとてもうれしくて、ありがたくて、また必ず来ることを約束してお店を後にした

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2011年、年が明けてすぐ、約束通り再び月島へ向かった
マスターは「律儀だねぇ」とぼそぼそっと言って笑った

この日は仕事のことや猫のこと、お休みの過ごし方なんかをマスターと話した
オレンジ色の扉から光が射す空間に、和やかな時間が流れた

わたしはまた必ず「ふるさと」へ向かうだろう
それはわたしが律儀だからではなく、そのお店とその味と、マスター一家が好きだからである
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by chanomibanashi | 2011-01-23 21:21 | 東京・中央区