カテゴリ:洋食( 7 )

千駄木「キッチン マロ」

谷根千自体、もともと下町らしい長閑な住宅地なのだが、ノスタルジックな街並みや昔ながらの商店街、そのあちこちで自由に振舞う野良猫たちを見に来る人々でちょっとした観光地にもなっている

そんな台東区谷中と文京区千駄木のちょうど区境に「よみせ通り」という商店街がある
谷根千の商店街と言えば「谷中銀座」の方がずっと知られているのだろうが、よみせ通りもなかなか渋くていい
キッチン マロがあるのもよみせ通り
オレンジのひさし、サンプルケース、濃紺の暖簾が目印だ

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お昼時には近所の人、散策途中の人でいっぱいだった
幅は狭めだが奥行きのある店内で、カウンター、テーブル、一段上がったお座敷もある

いくつかランチメニューがあり、フライ、スパゲティ、ハンバーグなど洋食の王道がずらり
わたしはその中からミックスフライを選んだ

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とにかく衣がカラッとしていて香ばしい
やっぱりフライはサクサクが命
そして食事を美味しく頂いた後には、ちょうどいい量のアイスコーヒーが付く
価格も手頃で、いいお店だなと思った

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店名の「マロ」は、マスターのお名前の一部
よく通る声でハキハキ喋る、とっても元気な方だ
そんなマスターの様子からわたしはてっきり生粋の江戸っ子だと思っていたのだけど、実はマスターは東北のご出身だそう

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「どこよりも東京が大好きだよ」と笑顔のマスター
うん、やっぱりマスターは誰よりも江戸っ子だなあ
わたしにはそんな風に思えた
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by chanomibanashi | 2012-07-07 00:06 | 洋食

浅草「洋食 大木」

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物凄い雨の中、池袋からバスに乗り浅草へ向かった
浅草警察署前のバス停で降り、わき目もふらずとにかく大木へと向かった

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歩道側にせり出す形のカーブした暖簾が営業中のしるし
入り口の戸は上の部分だけクリアな硝子で、少し背伸びしてそこから店内の様子を窺ってみると大将がひとりテレビを眺めていた
建て付けのあまり良くない、しかし味のあるその戸を開けてわたしは中に入った

大将が見ていたのはプロ野球中継
わたしが席につくとすかさず「お好きなところ、どうぞ」と言ってポンとテレビのリモコンを渡してくれた
しかしわたしも野球が好きなのでこのままでいいと伝え、大将とお互いの贔屓チームの話などをした

いつも通りあれこれ迷って、カツ丼をお願いする
大将が奥のキッチンに入って程なく、包丁のトントン小気味よい音が聞こえてきた
いいにおいとふわふわの湯気の向こうに大将の姿
カウンターの隙間からチラチラ見えるそんな風景がたまらなくノスタルジックだった

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汁気少なめの、あっさりしたカツ丼
ゴーヤーのぬか漬けはピリッと辛味を加えた大将オリジナル
あたたかいお味噌汁もついて、心もお腹も大満足だった

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食べ終わったあとも、お茶を飲みながら大将としばらく話をした
孫ほど歳が離れているであろうわたしのような者にも、大将は丁寧な言葉遣いで腰が低かったのが印象的だった
浅草で何十年もお店を続けられるのは、どんなお客にも一人ひとり分け隔て無く振る舞う、そんな気持ちを持ち続けているからなのだろうと思う
そして大将の笑顔がほっとするとてもいい表情だったのも印象的

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浅草の片隅で、美味しい食事と尊敬できる素敵な大将に巡り合えた
わたしはとっても幸せだ
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by chanomibanashi | 2012-06-09 00:01 | 洋食

高崎「レストラン 三好」

この春も青春18きっぷであちこちへ出掛けた
一年前に訪れた喫茶店を再訪したり、風景印を集めたり、喫茶店以外のお店もたくさん廻った
毎回違った発見があってとても楽しい
好きな場所には何度だって訪れたいと思う

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高崎のアーケード商店街で、扉にかわいいシールの貼られた洋食屋を見つけた
ちょうどお腹もすいていたので、その扉を開けて中へ入った

とっくにお昼も過ぎた時間だったので、店内にはお店のおやじさんと奥さんしかいなかった
少し緊張して席に着き、メニューを眺めた
ロースカツもいいな、あ、カキフライもある…
豊富なメニューに目移りしながらもこの日はオムライスに決め、奥さんに注文を告げた

カウンターの向こうでおやじさんが調理を始めた
真面目な雰囲気の漂う寡黙な人だなというのが第一印象
奥さんは再びわたしのテーブルにやってきて、さっと女性誌を置いてくれた
「雑誌でも読んで待っててね」と声をかけてくれて、そこでやっとわたしの緊張がほぐれた

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調味料のトレーや箸立ての置かれたテーブル
それらと一緒にとってもレトロな占い機もあった
金属製で、真上は灰皿になっている古いタイプ
「これは古いですね、珍しいものを見られてうれしいです」と、つい言葉を発してしまったわたし
そんなわたしに「お金入れるとまだちゃんと動くのよ」と、にこにこと奥さんが言う
ならばと思い、100円を入れて占ってみると…
「ああっ!大吉!大吉出ましたよ!」「あらー、よかったじゃないの!」
そんなふうになんだか気分も盛り上がってきたところに、オムライスがほかほかの湯気とともに運ばれてきた

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サラダとコロッケも添えられていて、お皿全体が華やかだった
オムライスにはとろりと美味しそうにケチャップがかけられている
しかも、王道の良く焼きの玉子
玉子の中のケチャップライスは至ってシンプルなもの
こういうのがやっぱりいいな、と、一口一口味わいながらいただいた

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ちょっとした旅の途中の、レトロな洋食屋
喫茶店に入るのよりもなんとなく緊張してしまうけど、いいと思った気持ちのままに入ってみれば、喫茶店とはまた違った新しい出会いがそこにある
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by chanomibanashi | 2012-04-10 18:44 | 洋食

秩父「パリー食堂」

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以前から行ってみたかった秩父へひとり出掛けた
どうしても訪れたい洋食屋があったからだ
登録有形文化財に指定されている「パリー」である

西武秩父駅から数分歩き、お肉屋さんの角を曲がったところにパリーはあった
金色に輝くパリーの文字
よくぞ残っていてくれた、そう声をかけずにはいられない圧倒的な佇まい
涙が出そうになるくらいの感動だった

平日、しかもお昼時も過ぎた時間だったのでわたしのほかにお客はいなかった
オムライス、ラーメン、カツカレー…
いろいろ悩んでソースカツ丼に決めた
わたしは卵とじのカツ丼よりソースカツ丼の方が昔から好きである
スキンヘッドと白いあごひげが素敵なご主人が厨房へ消え、静かな空間においしそうな音が聞こえてきた

カツ丼を待つ間、窓際に置かれた本をぱらぱらと読んだ
パリーのことも書いてあり、お店の歴史など興味深かった
壁に目をやると、秩父夜祭のポスターがたくさん貼ってあった
山車の豪華さや美しさ、人々の躍動が伝わるポスターばかり
冬のお祭りか、きれいだろうな、などと思いながら眺めているとカツ丼が出来上がってきた

「ぱりー」と平仮名で書かれたかわいいどんぶりが目の前に運ばれた
一気に嬉しくなってふたを開けると、素朴ながら美味しそうなカツが現れた
ソースの味が懐かしく、それをしっとり纏ったあつあつのカツがしみじみと美味しかった
そしてなぜか胸がきゅんとなり、恋しさのような感情がこみあげてきた
こんな気持ちでお昼ご飯を食べたことなんてあったかな
不思議で貴重な時間だった

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初め少しだけ怖そうに見えたご主人も、お話してみると笑顔が素敵で静かな口調の方だった
確かパリーには看板猫ちゃんがいると記憶していたのでそのことを尋ねると、去年19歳で亡くなったと教えてくれた
ご主人が寝るときは一緒にお布団にいたし、夜出掛けたりするとじっと帰りを待っていてくれたのだそう
少ししんみりしてしまったが、テレビや雑誌の取材のこと、それらを見て遠くからやってきたお客さんのことを話すときのご主人はとても嬉しそうだった

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お店を出てもしばらくはそこから離れられず、ひとりぼんやりと外観を眺めていた
なんだか夢を見ていたような心地だった
パリーでの時間はわたしにとってどこかファンタジーのようにさえ感じられた

いつまでも忘れたくないパリーのお店と味
いつまでも忘れたくないパリーで感じたあの不思議な気持ち
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by chanomibanashi | 2011-09-09 08:11 | 洋食

関内「洋食 梅香亭」

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少し前に、約10年ぶりに梅香亭へ行った
とても懐かしく、感慨深かった


オムライスとハヤシライスを注文した
味は以前と同じく美味しかった
よく焼き卵のオムライスはご飯がぱんぱんでわたしには大きく感じる
きちんと味の付いたケチャップライスが独特な味わい
ハヤシライスは甘すぎず酸っぱすぎず、いい味だった

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お店のお兄さんもお元気そうだった
少し歳をとった感じはやはりしたが、相変わらずてきぱきと一生懸命お仕事していた
わたしがテレビを覗きこむように観ていたら、席の移動を促してくれた
テーブルがガタつくことや、料理があつあつなことも丁寧に教えてくれた
そんなお兄さんを見て、なんだか心からほっとした

お会計の時に厨房から奥様が出てきて下さった
10年ぶりに来たことを伝えるととても喜んでくれ、その場で少しお話もできた
わたしもとても嬉しかった


梅香亭は、わたしの知る当時より営業時間が短くなった
ご夫婦も、お兄さんも、歳をとった
10年経った今も在り続けてくれたことを良かったと思う反面、なぜか儚いような、切ない気持ちにもなった

いつまでも忘れたくない味である

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by chanomibanashi | 2011-02-16 00:55 | 洋食

巣鴨新田「味の終着駅 レストラン あかね」

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前々からあかねの存在は知っていて、気になっていた
不思議な魅力のコックさんがお店の前に笑顔で立っていたから
ある日の夜、あいぼうを誘って二人で夕食を食べに行った

先客はおらず、ご主人と奥さんが仲良くテレビを見ていた
わたしたちに気付くとすぐに準備をし、てきぱきと仕事を始めた

あかねのメニューはとても個性的だった
料理名のあとにサブタイトルとでも言うのだろうか、ひとことが添えられているのだ
例えば「海老フライ 夢は再び」とか「ポークヒレカツ 慕情の味覚」といった感じ
「サーロインステーキ 味の強者最高カロリー」なんていうのもある
どれも素敵で知的で、ワクワクして見入ってしまった
そんな素敵メニューの中からわたしは「カキフライ 栄養豊か」、あいぼうは「カニコロッケと海老フライ 夢をかなえる」を注文した

昔ながらの銀のお皿にフライ、タルタルソース、サラダ、ケチャップ味のスパゲッティがにぎやかに盛りつけられている
さくさくの衣とジューシーなカキがほんとうに美味しくて、何個でも食べられる気がした
あいぼうのコロッケと海老フライも同様にさくさくで、大満足の夕食だった


帰りに「あのメニューのサブタイトルはどなたがお考えになったのですか?」と聞いてみた
すると「あれはね、わたしが若いときにね…」と照れながらご主人が答えた
すごく素敵で気に入ったということを伝えると、ご主人も奥さんも笑いながら喜んでくれた

ほんとに仲がいいなあ、このご夫婦は
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by chanomibanashi | 2011-02-13 02:27 | 洋食

日暮里「洋食 ニューマルヤ」

先日、用事があって日暮里をあちこち歩いていた
するととある道端で、何やら写真撮影をしている男性二人に遭遇した
彼らが立ち去った後、被写体になっていた建物を見に行くとそこは洋食屋だった
年季の入ったショウケースにはおなじみの洋食メニューとコーヒー
さらに素敵なことに、建物を覆うようにツタがぐるぐるとからまっていた
まったく偶然見つけたこのお店に、文字通り「吸い込まれるように」入った

中も期待通りだった
オレンジ色の椅子はかわいらしく、窓際のカーテンもいかにも洋食屋という感じでいい

ただここで問題だったのが、ぜんぜんお腹がすいていないということ
予想外に素敵なお店を見つけて急に入ったもので、そんなことすら忘れていた
幸い、壁のメニュー表には飲み物がたくさん書いてあった
かと言って看板にはしっかり「洋食」とあるわけで、何か食事を頼まなくては悪い気がする
散々考えて、カツサンドとコーヒーをお願いした

おやじさんが一人で注文から調理、配膳までやっている様子
先客もいたので、本を読みながらのんびり待った

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からしの効いたサクサクのカツが、焼かれていない食パンに挟んである
コーヒーは酸味が強めだが、ぜんぜん嫌な感じではない
美味しくて、ぺろりと食べてしまった
お腹すいてないって言ったの誰だっけ…


帰りにおやじさんに「ここは飲み物だけでお邪魔しても大丈夫なんですか」と尋ねたら、すぐに「はい」と答えてくれた

なんて言いつつ、次回はオムライスを頼んでみたい
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by chanomibanashi | 2011-02-06 03:08 | 洋食